2007年 09月 13日
ビチは天下の回り物
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ボローニャの街には坂がない。街中の移動は自転車(ビチクレッタ)が便利である。
自分も帰国した友人から中古の自転車を譲り受けた。おかげで少し郊外の家に住む事が出来ている。
さて、この譲り受けた自転車。おそらく盗難車なのだろう。車体にペンキで塗り替えた跡がある。
ボローニャにはれっきとした盗難車市場が存在する・・・と書くと大げさだが、大学近くのザンボーニ通りに行けば流しの盗難チャリ屋に出会う事が出来るのだ。
聞いた所によれば価格は20ユーロ前後。破格の値段であるが、盗難車市場が存在すると言う事はつまり盗難にあう確立もコンビニのビニ傘レベル。
盗難車並の値段で強固なチェーンを買う必要がある。
ボロネーゼ達の盗難車市場に対する意識はと言えば、例えば学校の教師にしても
「あそこで売っているのは盗難車よ、解っているでしょ?」
と暗に購入を否定する物や、
「あそこで買ったらすぐにペンキで色を塗り替えなきゃだめよ!」(前の持ち主にバレちゃうから。)
とノリノリで盗難の片棒を担ぐものまで様々。
しかし事実上「ビチは天下の回り物」と言うのがボローニャの公式見解と見て間違いはなさそうである。
幾ら鍵を掛けていても、何らかの工作物に繋げて固定しておかなければ鍵がかかったまま持ち去られる可能性も大だが、ボローニャにはいたるところに駐輪用のスタンドが設置してある。
ここにクサリで固定しておけば、まぁ一安心なのだろうか。
ある日、友人の家で夕食を取る事になった、市場で買ったモルタデラハムやサラミをつまみに、ワインを飲みながら夕食の仕度。
尽きぬ話に盛り上がり、いつの間にか時間は早朝の五時。
土曜の早朝、冷たい空気には少しずつ秋の匂いが混ざり始めている。何とすがすがしい朝だろう、近くの駐輪スタンドに繋いだ自転車を取りに行く。
誰も居ないウゴバッシ通りからマッジョーレ通りへ。
家への帰り道。久しぶりに立ちこぎで力いっぱいペダルを踏み込んでいると、自転車をこげる様になったばかりの頃を思い出して何だか懐かしい気持ちになる。
せめて、この朝だけは現実を忘れていたい。
何故サドルが無いのだろう・・・・
by caffe-bologna
| 2007-09-13 00:51
| カフェボローニャを始める前に